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更新日:H22/02/02
「建築3次元シミュレーション&インタラクティブツール体験セミナー」報告
平成21年度 文部科学省委託「社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業」
北翔大学「学び直しセミナー」
講演名:「建築3次元シミュレーション&インタラクティブツール体験セミナー」
日時:平成21年11月2日(月) 14:00~20:00
会場:北翔大学 北方圏学術情報センター「ポルト」



講演会の様子

体験コーナーの様子


『プログラム内容』

1.講演会(14:00~18:10)
・14:00~14:10 事業責任者挨拶
北翔大学芸術メディア学科教授 小室 晴陽

・14:10~14:50 「建築3Dシミュレーションツールのご紹介」
株式会社クレッセント 向井 利光氏

・15:00~15:50 「身近になった3D立体映像」
北翔大学芸術メディア学科准教授 松澤 衛

・16:00~16:50 「GPS携帯によるインタラクティブ展開」
有限会社EYERise 代表取締役 千田 斎氏

・17:00~18:10 「RevitによるBIM設計の実際と3dsMaxとの連携によるビジュアライゼーション」
オートデスク株式会社 長瀬 純氏
北翔大学芸術メディア学科教授 小室 晴陽

2.体験コーナー(16:00~20:00)
「没入型ヘッドマウントディスプレイによる建築空間体験」 株式会社クレッセント

3.体験セミナー(18:30~19:30)
「Autodesk Revit体験セミナー」 オートデスク株式会社 長瀬 純氏

<講演内容>
●14:00~14:10、業責任者挨拶 
北翔大学芸術メディア学科教授 小室 晴陽

 

【以下、小室教授】
本日行う内容は、主に建築デザインの仕事の方へ向けてデジタルツール活用についての情報提供を主旨としたセミナーである。
(本日のセミナーチラシに表示されている)札幌デザインウィークとは札幌市、教育委員会、札幌市立大など建築インテリア関係の団体や会社、学校が参加してセミナーや講演会、コンテストなどを10月末から約一週間程度実施しているイベントである。その取組に北翔大学も参加し、このセミナーを行っている。同じ会場で実施している卒業設計日本一の模型展もその札幌デザインウィークの催しの一つである。
北翔大学とは江別市文京台に本拠地がありこの建物は「北方圏学術情報センター」(通称ポルト)といいサテライトの研究センターである。
文京台では、スポーツ系や芸術メディア学科、教員養成系、福祉系の学部があり短大、大学院含め2,600名ほどの学生がいる。
平成19年に文部科学省が全国から公募した「社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業」に私ども芸術メディア学科が申請した事業が採択されたため、建築インテリア関係の社会人向けセミナーを土曜日と平日夜間に実施している。長い方で6ヶ月ほどの期間学ぶセミナーである。
内容としては、Photoshop、Illustrator、3dsMaxなどのデジタルツールの講座と札幌駅前にあるキャリアバンク㈱で実施しているプレゼンテーション技術を学ぶ講座がありデザインができて、デジタルツールが扱えて、人前で効果的にプレゼンテーションできるスキルがトータルで学べる内容となっている。

などと、説明し本日行う6つの講演および体験セミナーの説明と講師の紹介をして挨拶を締めくくった。


●14:10~14:50、「建築3Dシミュレーションツールのご紹介」
株式会社クレッセント チーフエンジニア向井利光氏

東京築地で、主にヨーロッパ方面のソフト・ハードウェアを販売している㈱クレッセントの向井様に建築系のソフト・ハードウェアについてご紹介いただいた。

【以下、向井氏】
建築では古くから構造計算などでコンピューターを盛んに利用している分野である。作図作業において2DCADから3DCADへと進化する中で3次元のX,Y,Zの座標を持ったデーターを保持することになった。
そのデーターを図面を描くことをゴールとせず、財産として再利用する流れとなるのは当然である。
3Dデーターにリアルな質感や立体感をあたえる技術が求められると同時にデーターで作られた道路の上を走ってみたい、その建物に入ってみたい、住んでみたいという欲求からデーターで実体験するシステム(バーチャルリアリティシステム)も求められるようになった。
当初は専用のソフト、専門のエンジニアが必要で誰でも利用できるものではなかったが、要求が高まるにつれて開発も進んできている。比較的安価で、メンテナンスも楽に、手軽に使えるVRシステムとして3dvia virtoolsを紹介したい。CADデーターや3dsMaxなどのDCCデーターをリソースとして使うのが得意なミドルウェアである

【プロジェクター画面】
ホテルのロビーと女性の画像が投影され、向井氏のマウス操作と矢印キー操作でロビーを女性が歩き回ると同時にカメラが女性の後ろをついていき内観の確認や目線、ライト効果の確認ができる。壁やソファにあたると止まり、突き抜けることはない。目線の高さをかえて天井をみることもできる。
エクスポート次第でインターネットエクスプローラで見ることもできる。このプログラム(プロジェクター画面のホテル内装を歩き回れるプログラム)は私が3日で完成させた。一般のユーザーでも1週間程度で完成させられる。
次に、主となる建物や部屋のデーターがあっても周囲環境(隣接する建物や道路や自動車、人などの景色)の作成に時間がかかることが多い。それらを解決する策として道路などの建築物に関してはCity Engine人や自動車に関してはMassiveでサポートすることが可能だと考えている。
City Engineとはルール(高さや面積、窓の数など)を設定することで自動的に道路や建物をつくるソフトである。【City Engineによる町並みの作成のデモ映像を投影】豊臣の時代の大阪の街並みを作るという仕事があったが弊社のデザイナーが1週間程度で作り上げた。
Massiveとは鳥の群れをシュミレーションするツールから始まった群像シミュレーションツールだ。【Massiveが最初に使われた映画ロード・オブ・ザ・リングの騎馬兵の映像やアイ・ロボットのロボットの行進のシーンを投影】
建築への応用としてはオフィスの動線シミュレーションやコンサートホールなどの火災時に避難する人のシミュレーションとして使うことができる。
さらにクォリティの高いVRシステムとしてImmersive VR Systemというヘッドマウントディスプレイを装着し歩き回れるシステムの提案を行っている。モーションキャプチャカメラViconで赤外線により頭や手足の方向や位置を計算し、ヘッドマウントディスプレイをかぶった人が歩き回り、頭を動かすと同時に見ている映像の視野の位置も変わるというものである。
これらのツールを複合しCADデーターに3dvia virtoolsで歩き回れるプログラミングを施し、City Engineで周囲の建物環境を整えMassiveで群集シミュレーションを行い、Immersive VR Systemで実際に動き回れるという高度なプレゼンテーションを行うことが可能と話し講演を締めくくった。

●15:00~15:50、「身近になった3D立体映像」
北翔大学芸術メディア学科准教授 松澤 衛
3D立体映像について、どのような身近な機材で見られるのかとどのような手順で立体映像を作成していくのかについて本学芸術メディア学科准教授 松澤氏よりお話いただいた。

【以下、松澤准教授】
(手元に左右が赤と青のレンズのメガネを持ち、プロジェクターに手元のカメラで投影)昔、映画館でこのようなメガネをかけ3Dを楽しむということが流行った。現在ハリウッドでは3D映画の第3次ブームが来たといわれている。それは技術が進んだこともあるがハリウッドの集客戦略として3Dという付加価値をつけるという面もある。富士フィルムで3D映像が撮影できるカメラ(2009年7月発売)が発売されたりと身近になってきている。今日、用意した新しい3D視聴のメガネはアクティブシャッターと偏光メガネである。(それぞれ2台のモニターと2種類のメガネがある)
アクティブシャッターというのは右目と左目で見る映像を切り替えており見ている人間の頭の中で3Dの像を結ぶものである。今日、持参した機械は5万円ほどの安価なセットであり長時間見ると頭がかなり疲れる。
今後主流になると思われるのは、もう一つの偏光メガネである。アクティブシャッターは普通のモニターであるのに対し偏光メガネを使用するモニターには一ラインごとに偏光フィルターが右目用と左目用で交互に貼られている(3Dではない映像も普通に見られる)。問題点としては解像度が半分になる。解決のためにはプロジェクターを2台使いそれぞれに異なる光の通し方をするフィルターを貼り、その反射した光を人間が見る仕組みでこれは学生が現在卒業研究として実施しているものである。(プロジェクターを簡単な手づくりの台に2台、縦に置く)これらを投影するのに白いスクリーンでは光が拡散してしまい見られない。(講演会場のポルトのスクリーンも白で投影できない)シルバースクリーンというアルミの粉を吹きつけたものでかなり高価である。安価に身近なもので代用するには、様々に試した結果、アルミ箔の裏(シワなくきれいに張るのが難しい)やメッキ調スプレー(銀色のもの。ホームセンターで購入できる)をボードに貼り付けるのが良いようだ。また、2台のプロジェクターを専用の機械で同期させるかパソコンのポートを使って同時に映像を流す必要がある。
投影する映像をMaxで作る際には2台のターゲットカメラの注視点を合わせて撮影することがポイントとなる。カメラは左右の目の距離(65mm)離すと立体に見えるといわれているが1台で立体の撮影ができるカメラも研究で作られているので2台置く必要がなくなるのも近いと思われる。
一般的な3D視聴が広がる条件としてファイル形式の統一というのが必須だが現在その様子はない。早く統一させ、一般視聴を広めたい。

講演終了後、ステージで2台のモニターと3Dメガネでの視聴を限られた時間であるが自由に体験。海中を魚が泳いでいる様子や恐竜の3D映像を視聴して「きれい」や「すごい」などの歓声があがった。

  


●16:00~16:50、「GPS携帯によるインタラクティブ展開」
有限会社EYERise 代表取締役 千田 斎氏
いまや普及率90%を超える携帯電話の中でGPS機能付携帯における市場や、展開されるサービス、マーケティングについて東京にてコンサルティングや制作のコーディネイションを行っている有限会社EYERiseの千田氏にお話いただいた。

【以下、千田氏】
携帯電話とは非常に付加価値の付けやすい市場である。24時間持ち歩きつながり続けているからである。
GPSチップが搭載された機種の普及も増えてきており現在の日本におけるGPS携帯市場約247億円が約525億円まで成長するのではないかというリサーチ会社のプレスリリースもあるほどだ。
その理由として総務省が普及を指導している面がある。緊急通報用としての利用のためである。
GPS機能を使ったコンテンツとしては「コロニーな生活☆PULS」「国盗り合戦」などのゲームや出かけ先の天気などをお知らせしてくれるサービス、ナビシステムなど会員数100万人を超えるものがある。
建築での活用の実例としてはGPSデジカメで撮影した情報の位置情報を取れるユニット(SONY製)があり入札資料作成や、広い工事現場において作業箇所ごとの進捗状況を管理することができる。

岩手県の会社では道路や河川の維持管理として破損箇所をパトロールで見つけた際にGPS機能つきカメラで写真を撮ってサイトに送り、修理の手配をするという実際の運用をしている。場所や破損状況を確認でき、修理する人間を配置するための時間や人件費等を抑えることができるとのことだ。住宅建築において作業状況を日々更新して、施主に確認してもらうなど付加価値サービスとしての利用もできるだろう。日々の作業を確認できるだけでなく、最終的に家が建つ様子の画像を使いスライドショーにして渡すというようなこともできる。GPS機能付携帯とSNSサイトを組み合わせることで容易に写真、位置情報がとれ、コメントの付記が行える。
最後に、このイベントに向けて作ったデモサイト(GPS機能付携帯で撮った映像をメール送信することでSNSサイトに写真と位置情報地図、コメントをアップすることができるサイト)に実際に投稿する実演を行い、講演を締めくくった。

●17:00~18:10「RevitによるBIM設計の実際とMaxとの連携によるビジュアライゼーション」
株式会社オートデスク ソリューションコンサルタント 長瀬 純氏
北翔大学芸術メディア学科 教授 小室 晴陽
コンピューターで設計することがあたりまえとなり、コンピューターでなければできないようなデザインや複雑な構造計算を必要とする中でできた新しいBIMという考え方、それに基づくRevitというソフトについて株式会社オートデスク ソリューションコンサルタントの長瀬純様にご講演いただいた。

【以下、長瀬氏】
BIMという考え方の背景についてまずご説明したい。現在の建築業務においての課題として改正建築基準法により申請内容の変更が認められず申請作業量が増加していることは建築業務に携わっておられる皆さんも実感していることと思う。また、サステナブルデザインという環境に配慮した設計を視野に入れなければいけない世の中になっている。Autodeskは1982年に発売した2次元CAD AutoCAD Version1.0から25年以上の歴史を持っている。ソフトは格段に進歩したものの設計・施工業務に携わる様々な設計者や技術者がそれぞれに膨大な枚数の製図が必要なことには変わりがない。また、今までの2次元のCADでは作れないデザインの建物やコンピュータだからこそ可能となる作業、構造計算などが出てきている。
以上のような背景の中で出てきたのがBIM=Building Information Modering(訳:建物情報モデル)である。

計画の情報を一元的に管理し、必要な情報を必要な時に付加し用途に合わせて活用する。
線画の情報だけでなく材料の分量や面積、また環境シミュレーションなどすべてを一元管理するシステムでありAutodeskがBIMソフトとしてリリースしているのがRevitである。
通常の設計手順である2D製図を行わずにまず、建物の部材・機器を配置して3Dを作成し「平面図」は水平断面、「立面図」は側面、「断面図」は垂直断面にするものだ。データーの関連付けにより例えば「ドアのある壁を削除するとドアも削除される」や「階段の段数を減らすと上階の床や壁の位置も自動的に変わる」など変更が容易にできる。
日影ソフトADS(生活産業研究所㈱)との連携やGoogle Earthから地理情報を取得することで環境シミュレーションに活かせる。Revitで作ったものをGoogle Earthに貼り付けることで施主がAutoCADやRevitを持っていなくても確認してもらえる。
Wind Perfect(㈱環境シミュレーション)との連携では3次元熱流体解析を設計に反映することができる。その他Autodesk Ecotect(日本未発表)での日影・日射・照明・音響シミュレーションやAutodesk Navisworksで4Dプランニング、干渉チェック、ビジュアライゼーションに活用することもできる。dwg、dxf書き出しもできる。意匠設計だけでなくRevit Structure(構造設計者のためのRevit 構造計算ソフトとの連携もできる)やRevitMEP(電器・給排水衛生・空調そのたのためのRevit)もあり意匠・構造・設備で情報を共有することができる。
Revitを実際に使用した例としてNew YorkのOne World Trade Center-Freedom Towerなどを紹介。
最後に大成建設㈱が横浜カメリアホスピタルのプロジェクトにおいてRevitを使用した各部門担当者の感想をビデオ上映して長瀬氏の講演を締めくくった。

続けて、3dsMaxを使い、実践的に行うビジュアライゼーションについて北翔大学芸術メディア学科教授の小室晴陽氏が講演を行った。


【以下、小室教授】
現在、大手建築会社やゼネコンでの大規模プロジェクトでは今日紹介したAutodesk Revitやグラフィソフト社のArchicadで設計製図とビジュアライゼーションを同時に行うというのが主流になってきている。しかし、一般的なビジュアライゼーションの作業の流れとしてAutoCADやJWCADなどの図面を使い、3dsMaxやGoogle SketchUpを使ってモデリングをしてPhotoshopやMaxを使ってアニメーションを行うことも多いであろう。CG作成の際のポイントとして、いかに手間をかけずにリアルなものを作るか、生産性を高くするかということをご紹介したい。
例)マンションの外観CG。レンガ建ての建物で窓にレースのカーテンがかかっている。
このようにカーテンなどで生活観を与えることでリアルに見えるが、カーテンの曲線をMaxなどでモデリングするのは手間がかかるしやる必要はない。モデルルームなどで様々なカーテンがかかっている窓をデジタルカメラで撮影しPhotoshopで合成することでリアルな外観が容易に可能となる。
例)団地の新たな棟をモデリングする際の周りの建物

隣接する周辺の建物を正確にモデリングしなくてはいけない場合、手間がかかるので外郭を正確にモデリングしてデジタルカメラで撮影した外装をマッピングするなどデジタルカメラで実際に取った画像を利用して取り込んでいくことがポイントになる。
また、北海道では冬にどのような景色になるのかも重要であるが雪の表現は非常に手間がかかる。この場合にも実際に冬の景色を撮影しておいて夏の景観でモデリングしたものにかぶせてマッピングする。
以上のような、生産性高く容易にCG作成をするポイントを紹介して講演を締めくくった。

『体験コーナー』
「没入型ヘッドマウントディスプレイによる建築空間体験」 株式会社クレッセント
高画質、高解像度のディスプレイを頭部に被り周囲の視野を分断して没入することでリアルな空間体験が可能なImmersive VR Systemを体験できるコーナー。フランスの世界遺産モン・サン・ミッシェル(データー提供:㈱クレッセント)やル・コルビジェの有名建築サヴォア邸(データー提供:北翔大小室研究室)をヘッドマウントディスプレイを装着することで体験。自身が歩く、頭を左右に振る、コントローラー(ゲーム機のコントローラー)操作することに伴って視野が変わり部屋の中を移動するような、周囲を散策しているような体感が可能。

  

『体験セミナー』
「Autodesk Revit体験セミナー」 オートデスク株式会社
講演を担当されたオートデスク㈱ソリューションコンサルタント 長瀬氏によるAutodesk Revitハンズオンセミナー。会場をコンピューター室にかえ実際に操作を体験した。

  
更新日:H21/10/01
特別講座:『建築3次元CAD&CGセミナー』~PDF&BIM&SketchUp活用~
日 時  平成21年3月12日(木)13:00~18:30(開場12:30)
参加者  講演会70名・体験セミナー20名
会 場  北方圏学術情報センター「ポルトホール」および「504室」

プログラム
・挨 拶
13:00~13:10 事業担当者 小室晴陽
・講演会
13:10~14:00 講演「PDFのコミュニケーション機能を活用したデザイン業務の効率化」
有限会社アイライズ代表取締役 千田 斎 氏
14:00~14:30 講演「建築業界におけるPDF活用事例」
有限会社テクスプローラ代表取締役 川崎 剛義 氏
14:40~15:40 講演「Googl SketchUPの建築設計での利用術」
『Googl SketchUP パーフェクト』著者 阿部秀之 氏
15:50~16:30 講演「ArchiCADを利用したBIMによるワークフロー」
グラフィソフトジャパン株式会社 飯田 貴 氏
16:30~17:00 実演「ArchiCADによるバーチャルモデリングの実際」
飯田 貴 氏、小室 晴陽
・体験セミナー
(17:30~18:30) 「ArchiCAD体験セミナー」飯田 貴 氏




事業責任者 挨拶 北翔大学 芸術メディア学科 教授 小室 晴陽
【要約】
北翔大学の学科構成は、福祉、健康スポーツ、芸術インテリア、教員養成などである。芸術メディア学科で空間デザインコースという建築コンピューターデザインのコースがあり、その教員でチームを組み文部科学省委託事業として実施しているのが「建築CAD/CG デザインプレゼンテーション&ビジネススキル総合セミナー」という建築インテリアの社会人向けセミナーである。文部科学省「社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業委託」とは、平成19年度に全国の大学・短大・高専から公募をうけ応募校数約460件から約160件が採択された。そのうちの1件が本学の「建築CAD/CG デザインプレゼンテーション&ビジネススキル総合セミナー」である。このセミナーは、北海道建築士会札幌支部と協力してカリキュラムを作成し、ビジネススキルの講座はキャリアバンク㈱が札幌駅前の自社セミナールームにて実施している。Photoshop、AutoCAD、Illustratorなど今年度は11講座を展開し90名が受講された。本日はその中の一日イベントとして実施するものである。平素の講座とは違い、遠方から講演者をお招きしており、講演いただく内容について「今後一般化されるであろう3D PDF、また更に使われるであろうGoogle Sketchそして建築の統合的なデータの使い方であるArchiCADについてお話を聞いていただきたい」と紹介し挨拶を締めくくった。

13:10~14:00 『PDFのコミュニケーション機能を活用したデザイン業務の効率化』
講師:有限会社EYERise代表取締役 千田 斎 氏
前職のアドビシステムズ社ではAcrobatマーケティング部に所属しPDFのコミュニケーション機能を軸とした普及プランを推進され、現在では有限会社EYERise(アイライズ)を設立しマーケティングコンサルティネイションおよびコーディネーターとして活動されている千田氏にご講演いただいた。
【以下 千田氏の講演】
相手を理解し相手に理解してもらう前に自身をしっかり固めることが重要である。マーケティングの定義とは価値とお金の交換であり、その精度を上げるために必要なものとしてよく言われているのがPDCA(PLAN(計画)DO(行動)CHECK(状況の把握)ACTION(調整・改善)の頭文字)のサイクルである。そこでなぜPDFなのか。
一点目として保存・配布に有効なフォーマットである。なぜなら「5億以上のコピーが配布されている、レイアウトを保持してくれる。動画、音も貼り込み・添付できる」からである。
二点目はコスト削減がはかれること。紙ベースからPDF化することでインク・紙代のコスト削減がはかれる。全ての紙をPDF化した企業の実例を上げて「キャビネットレス、印刷しない。既存文章も全てスキャンしてPDF化OCRをかけてサーバーに保存した。10年ほど前の話であり現在も続けているので紙代、インク代のコスト削減は確実である」と説明した。
三点目としてコミュニケーションの円滑化。Acrobatのフォーム注釈でのヒヤリングとコメント指示の使用によるコミュニケーションの円滑化により時間短縮、時間コストの短縮、業務能率アップになる。実例としてCAD図面に訂正箇所や指示の注釈、コメントを記入したものをプロジェクターに投影し、「従来はメール添付した図面と訂正箇所を指示したメール文や印刷した図面に手書きで訂正箇所を記入したものをメールやFAXで送るなどをしていたが間違いもおきやすい。Acrobatの注釈コメントの使用で指示や訂正箇所を記した図面をメールで送れる」と説明した。
最後にまとめとして「PDFといっても有償、無償さまざまなものがある。自分にとって何が必要か、必要さと見合ったコスト化を見極めることが何より重要である」「紙は便利で多様性のあるモデムでありデジタルのみにとらわれることなく紙とデジタルの融合を考える」ことなどが重要であると話され講演を締めくくった。

14:00~14:30 『建築業界におけるPDF活用事例』
講師:有限会社テクスプローラ 代表取締役 川崎 剛義 氏
CAD/CG/CALS関連ソフトウェア販売、サポート、開発を手がける企業の代表取締役である川崎氏よりPDFがなぜ有効なのか、どのような場面で必要とされるのかについて講演いただいた。
【以下 川崎氏の講演】
「パソコンユーザーが増え、様々なソフトを使うことが普通となったことにより情報流出の危険性が高まっている」として実例「ExcelとAutoCADのデーター共有時のコピーアンドペーストで起こりうる情報流出」をプロジェクターに投影して実演した。
実演内容:Excelに表を作成し必要な部分だけを範囲指定してコピーしAutoCADに貼り付ける。元データーはファイルごと削除してしまう。AutoCADに貼り付けた表をダブルクリックするとExcelが立ち上がりコピーした部分だけでなく削除したファイルそのものが出てくる。コピー&ペーストの範囲指定はその部分だけをコピーするのではなく全てをコピーして範囲指定した部分しか見えないようにしているものだということを理解しないと情報流出が起こりうるという一例。
また、様々なソフトを使うときに便利なのがPDFであり、有効であるとして「様々な種類のソフトのファイルも、原図も束ねることができるため書類の一元化が可能になる」「3次元データーをPDFで取り込むだけで様々な角度からのシーンを保存、断面を見る、角度を変えてみる、アニメーションをつける、AutoCADのデーターであれば距離も測れることなどで視覚に訴える資料が作成でき相手とのコミュニケーション能力がアップする」「改変防止機能を使うことでセキュリティがアップし情報流出防止につながる」また3DPDFを使った企業のカタログの事例を挙げ、「自社の製品を一言では理解してもらいにくい会社でも視覚にうったえることで理解してもらいやすくなる。リンクを張り直接自社のホームページにつながるようにも出来る」ことを紹介して講演を締めくくった。

14:40~15:40 『Google SketchUpの建築設計での利用術』
講師:有限会社アーキビット 代表取締役 阿部 秀之 氏
一級建築士であり、「Google SketchUp日本語版パーフェクト入門編」などの著者である阿部氏に建築設計のどのような場面でSketchUpを利用するのかやGoogle SketchUp7の新機能、プラグインの新しい情報などについて実例を交えてご紹介いただいた。
【以下 阿部氏講演】
以前、Google SketchUp開発者から「Google SketchUpとは頭の中のアイデアを3次元化したいときに使ってほしいツール」との話を直接聞いたことがある。
建築、インテリアの3次元モデルを作る時に良く使われるソフトであり特徴として「手書き風などスタイルを選べる」「シーンでアニメーションが作成できる」「Google Earthとの連携できる」ことをあげて実際に建物をGoogle Earthに配置する実演を行った。その際、「Google Earth5という新しいバージョンからは海にもぐることができるようになった」「Google Earthでクリックすると青に色が変わる建物はダウンロードできる建物である」ことなどを紹介した。
また、AutoCADで描かれた図面をDXF形式で書き出して、それをGoogle SketchUpで読み込み、3Dデーターとして加工する実演を行った際、ポイントとして「外構、エクステリアまで設定すると見栄えがよい」「人を配置すると高さ比較ができる」「窓以外を全て白でレンダリングすると模型のような状態になる。実物のような精密さはレンダリングのプロにはかなわないが模型を作るより簡単にできるのでオススメである」、レンダリングの際に「Podiumというレンダリングのプラグインソフトを使うと反射とライトが使える」ことなどを紹介した。
高さや広さのシミュレーションとして使う実例として阿部氏の事務所のレイアウト変更の際にに使用した「高さ2種類のパーテーションを配置したGoogle SketchUpデーターと実際の変更後の写真」を紹介した。
また、写真照合の応用として「写真と軸をあわせて配置することで現在建っている建物の建て替えシミュレーションが出来る」事例で「住宅の立替前の写真と立替後のGoogle SketchUpデーターと実際の立替後の写真」や「AR-mediaTM Plugin v1.0 for Google SketchUpTM」というGoogle SketchUpで作成したモデリングをカメラに写した時に立体で配置しているように見せる新しいプラグインソフトを実演(椅子とテーブルが阿部氏が持っているクリップボードの上に配置されるように見える)で紹介いただき講演を締めくくった。



15:50~17:00『ArchiCADを利用したBIMによるワークフロー』
『ArchiCADによるバーチャルモデリングの実際』
講師:グラフィソフトジャパン株式会社 飯田 貴 氏
BIM(Building Information Modeling)という新たな方法をグラフィソフト社の飯田 貴 氏よりArchiCADを利用して紹介いただいた。
【以下 飯田氏講演】
まず、ArchiCADとは「3次元に特化したBIMがコンセプトであり世界80ヶ国で使われ特にヨーロッパではもっともポピュラーなCAD」「コンピューター内に仮想の建築を作り上げ、平面図、断面図、仕様書などと双方向の情報共有があり入力変更は図面からでも可能となる」ソフトであると紹介した。現在の設計作業では図面作成の間で違うソフトを使うことにより作り直し、変換などの作業が起こりデーター、時間のロスがうまれる。バーチャルビルディングとは「コンピューター内に仮想の建築を作り上げる。それにより平面図、断面図、仕様書などと双方向の情報共有があり入力変更は図面からでも可能となる」方法である。ポイントとして「モデル、図面、数量表をほぼ同時に作り上げていく」「プレゼンテーションから基本設計、実施設計へのファイル連動させる」「スケールと図面標記の連動」などが行えるCADである。
ArchiCADの効果としては「クライアント、設計者、施工者間の情報共有」「施工過程のロスを未然に防ぐ」「設備CADや構造のデーター、構造解析データーも入れ込みが可能」「流体、温熱、環境シミュレーション(CASBEE)が可能」「3Dプリンターにはきだすことで模型が簡単に作成できる」などを紹介した。
また、事例紹介として「Build Live Tokyo 2009というBIMの普及を目的としたインターネット上の架空コンペ」の紹介や「フランク・ロイド・ライトのプロジェクト(50年前の無人島開発計画が中断されたものをオリジナルの図面を使い再度計画するプロジェクト)」「メルボルンのコンベンションセンター(大規模プロジェクトの事例)」「スイスのスタジアム」「中国のオリンピックテレビ塔」「ロシアの赤の広場のリッツカールトン」などの実際のデーターをプロジェクターに投影して紹介した。
引き続き飯田氏には「バーチャルモデリングの実際」として北翔大学芸術メディア学科教授 小室晴陽と質疑応答を行い、小室教授からは「教育機関にとってのArchiCADとは基本的に建築が出来る人が使うソフトである為、学生に使わせるには難しいが、建築とはどういうものかという説明に使うには機械や設備などのデーターも全て含んでおり、適当なソフトではないか」という話がでた。最後に飯田氏から実際の作業手順の紹介として17:30から行われる体験セミナーでの課題を実際に作図して見せ、講演を締めくくった。


更新日:H20/03/31
2008.3.8(土) 「建築CGプレゼンテーションセミナー」開催レポート
3月8日(土)、北翔大学主催による「建築CGプレゼンテーションセミナー」が札幌市中央区の北翔大学北方圏学術情報センター「ポルト」にて開催された。現在建築の仕事に携わっている方々や、Illustrator, Photoshop, Google SketchUpに興味のある方を中心に、約100名の方々の参加があった。

ご挨拶 北翔大学 生涯学習システム学部芸術メディア学科 教授 小室晴陽
北翔大学は江別市にある、学生数約3,000人の大学で、様々な学科があります。建築デザインやCAD・CGを学ぶコースもあり、そうしたコースがある学科の教員がチームを組んで、本プログラム『文部科学省委託「社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業」』の「建築CAD/CGデザインプレゼンテーション&ビジネススキル総合セミナー」の実施計画を作成し、文部科学省からの委託授業としてセミナーを展開しています。本日の1日セミナーはその一環にあたります。プログラムはすでに昨年10月から実施しており、今日はその最終日にもあたります。次年度も実施することが決定しており、今年度できなかったGoogle SketchUpも入れて展開する予定です。また、本日アンケートでいただいたご要望を入れて平成20年度の社会人セミナーを展開していきたいと考えております。
20090808-3 20080308-5
1部 16:05〜17:15「Photoshop&Illustrator建築デザインへの活用術」
講師:アドビシステムズ(株)近藤祐爾様 (当初林岳里様の予定から、近藤祐爾様に変更)

第1部では、アドビシステム社のIllustrator、Photoshopの特徴とそれらの建築への活用法、また3次元のツールと組み合わせた活用法を中心に、具体例とともに講演いただいた。

■ Illustrator、Photoshopの特徴と違い
・ Illustrator:2次元の平面図、ラフスケッチ、パース絵などに使われる、ベクトルのグラフィックツール。ツールを用いて作成した様々な形を組み合わせてデザインをつくる。解像度に関係がない。
・ Photoshop:パース絵、テクスチャのデータ作成、デジカメで撮った写真の加工などに使われる、ビットマップのデータ。拡大すると粗くなり、ドットになる。
・ 両者はそれぞれ用途に応じて得意不得意がある。CADの図面を加工して着色するならIllustrator、写真をベースにしたものや3Dツールでレンダリングした絵を加工するにはPhotoshopが向いている。それぞれに特徴があるのを理解しておくとわかりやすい
(写真)
■ Illustratorの機能について
・ 「ライブトレース」機能。ビットマップで作ったものをベクトルデータに変換する機能を持つ。変換するとモノクロのベクトルデータとなるので、あとはオブジェクトを選んで、形ごとに着彩すればよい。
・ 「ライブカラー」機能。一つ一つのオブジェクトに着色すると手数がかかるが、「ライブカラー」を使うと、全体の色を一気に変えることが可能。使われている全色を自動的に把握できるので、ダイアログ上で複数の色の編集が簡単にできる。
・ 今までは熟練した人でも手数がかかっていたこういった作業が、容易になってきた。機能の長所を生かして作業効率を上げるとよい。
(写真)
■ Photoshopの機能について
Photoshopを使う場面:パース絵やデジカメで撮った素材を加工したり、3Dツールと連携してテクスチャの編集ツールとして使う。3つの例が示された。
・ (内装の絵)3Dのツールから絵柄を取り出し、加工してパース絵を作る場合。3Dで書き出された絵がメリハリが少ない場合に、Photoshopでパーツ毎に加工をしてレイヤーパレットで作業を積み上げる。例えば窓の外の青い色を調整して、リアリティのあるものにしていく。
・ (家の絵)もともとは、何も飾りのない、書き出された家の絵がある。その家に背景をつけ、壁の質感を調整し、植栽、車など後から絵柄どんどん追加し、重ねて組み合わせる。
・ (建物の絵)背景を抜くということができる。建物だけを切り抜きたい時、「自動選択ツール」を使う。レイヤーのマスクを使って、背景の画像がなく透明な状態にし、その選択範囲に対して空の絵を持ってくるなど加工する。それがPhotoshopでする作業の基本にあたる。

■ 選択範囲を作ることは、Photoshop活用のポイント。そのためのツールを紹介。
・ 後ろが黒い場合などは、「自動選択ツール」で一気に選択。
・ 「クイック選択ツール」。絵柄から人だけ切り抜きたいが、背景に肌や髪の色が混じっていて、自動では切り抜けない状況の時に使う。選択したいところをブラシでなぞると、点線で自動的に選択してくれ、微調整もできる。
・ 「境界線のオプション」で境界線を調整できる。境界線の調整とは、コントラストをくっきりさせたり、ぼかしてなじませたりすること。最終的な仕上がりに近くなる様に見ながら調整できる。
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■素材加工について。素材をきちんとした絵柄に仕立てていくということがPhotoshopの役割のひとつ。
・ 「色調補正」で見えにくい絵を見える絵にすることができる。(暗くて何が写っているかわからない写真を例として使用。)レベル補正、トーンカーブ、色相の調整等により色をコントロールし、絵柄を見えるようにできる。CS3からはプリセットもあり、使用が簡単になった。単機能の「シャドウハイライト」も、写っているものをはっきりさせたい時には好適である。
・ 「フィルタ」機能で建築写真らしい写真にする加工ができる。レンズによって引き起こされた結果を補正する「レンズ補正」が搭載されており、広角レンズで撮影されたような、写真の左右側の街路樹が斜めに倒れているものでも垂直に立てて、建築写真らしくすることができる。
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■ その他Photoshopの使用例「自動整列」「自動合成」
・ (人々の集合写真で説明。)一人だけ右を向いていている写真と、一人だけ下を向いている写真を組み合わせて全員が前を向いている絵柄を作りたい場合。「自動整列」で、2枚の写真のブレがすばやく整列できて、絵を組み合わせることができる。「自動合成」は、いらないところを削る時に使える。自動的に合成してくれて、2枚の絵から1枚の絵を抽出できる。
・ テクスチャ、背景を作る時に応用できる例として。連続した写真から景色のパノラマ写真を作るような場合、「自動整列」で重なり部分を調整して、大きな素材に加工できる。更に、「自動合成」で、色調補正され、なじんでつなぎ目がわからなくなり、パノラマを撮ったような写真になる。

■ パースペクティブを使った例
・ 「トリミングツール」の「遠近法パースペクティブ」にチェックを入れると、斜めから撮った写真でも好きな形に切り抜くことができる。二次元の画像から三次元的に画像を抽出でき、正面から撮ったように加工できる。
・ ビルの写真などから、窓枠等のイメージを出して素材として加工したい時。「DXFへ書き出し、3DSへ書き出し、AfterEffectsCS3順に書き出し」(上位版エクステンディットに搭載)で、画像から複数のいろいろな素材を一気に書き出すことが可能。
・ 「3Dレイヤー」(3次元のモデリングデータをそのままPhotoshopのファイル上で扱うためのレイヤー)で、ビルの写真を立体的にできる。素材としてのモデリングデータを、手間をかけずにリアリスティックに加工できる。
・ 「バニッシングポイント」で、選択ツール、スタンプツール、ブラシツールなどのPhotoshopのごく基本作業が、パースペクティブを使った加工ができる。
・ 「バニッシングポイントフィルタ」には、建築のプレゼン用に様々なものを素材化ができる機能が用意されているので、加工の際に活用して、それぞれの長所を生かして作業するとよい。
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第2部 17:15〜18:05「3DデザインフリーソフトGoogle SketchUpの魅力」
講師:『Google SketchUpパーフェクト』 著者 阿部秀之氏

 第2部では、Google社が無償で提供しているソフト、3Dモデリングが可能の「Google SketchUp」の魅力について、「Google SketchUpパーフェクト入門編」などの著者である阿部秀之氏に実践も交え解説していただいた。阿部氏は、20年弱、建築(設計)をしてきた。CAD等の3Dソフトに挑戦したこともあるが、「Google SketchUp」に出会い、その魅力にはまったと語る。
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■ Google SketchUpとは?
・Google社が無償で提供している3Dモデリングソフトである。他社のモデリングソフトとは違い、直感的な操作で比較的容易に扱える3Dソフトといえる。
・対応OSはWindows、Macの両方で使用可能。(Macの場合、オペレーションの違いで戸惑うこともある。)
ダウンロード場所:http://sketchup.google.com/intl/ja/download.html。保有のPCのシステムがGoogle社の示す要件を満たす必要がある。
特徴として、5つ提言した。
1)有料版(「Google SketchUp Pro」)との違いは、インポートとエクスポートの機能に差があること。また、LayOut機能や、Style Builder (Beta)、モデルの位置指定にも差が生じる。
2)モデルは、建築・土木等の四角いものを作成するのに向いている。曲面が多いモデルは好ましくない。
3)2次元の作図にはあまり適さない。
4)プレゼンモデル作成に向いている(スケッチ風の表現ができる)。
5)無料のレンダリングソフトを連携させながら使用することができる。
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■ なぜ、「Google SketchUp」は無料なのか
阿部氏の見解:「Google社としては、『Google Earth』との連携ソフトとして使用することをひとつの目的としているが、無料とすることで広い範囲のユーザーに使用してもらい、知名度を上げる効果があると考えているのではないか」
建築業界での「Google SketchUp」の知名度はまだ低いが、認知されるとユーザーが増えると予測される。
予測される理由として、4つ提言した。
 1)ソフトが無料。
   このことが最大のメリットであり、学校機関で使用するのが最適である。
 2)インストールおよびアンインストールが簡単。
 3)直感的なモデリングが簡単で楽しい。
   レンダリングを考えながら行うCAD等の3Dソフトで挫折する人が多いが、「Google SketchUp」はモデリングから始めるソフトであるため、必要最低限の練習で成果が挙げられる。
 4)拡張性がある。
   「Google Earth」等の連携をスムーズに行うことができる。
この他にもさまざまな理由が探せばあるのではないかと述べる。

■ 実践を含めた解説
ここでは、代表的な6つの機能を紹介した。
1)基本的な操作
  [プッシュ/プル]、[フォローミー]、クリック等の操作。
2)写真からのモデリング
  撮影した建物の画像を元に[写真照合]ツールを使ってトレースをするようにモデリングが可能。[カメラ]機能で実際の目線から見るというシミュレーションができる。
3)スケッチ風に見せる
  モデリングしたものを、[スタイル]機能で、用途に合わせて鉛筆スケッチ風やホワイトボードに書いたような表現など、用意されているいくつかのスタイルに変更することができる。
 4)断面平面
   断面カットしながら、内装等を考えることができる。
 5)影シミュレーション
   無料版では影の詳細の設定はできないが、「Google Earth」と連携させると初回だけ、指定した場所に設定できる。
 6)アニメーション
   [シーン]を使って、アニメーション設定ができる。
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■「Google SketchUp」の拡張性
 1)「Google Earth」との連携
   今話題の「Google Earth」を使い、位置情報を「Google SketchUp」に落とし込むことができる。また、自分自身が「Google SketchUp」上でモデリングしたものを「Google Earth」に反映することができる。
 2)3Dギャラリー
   Webサイト上に自分の作成したモデルをアップロードすることができ、モデルを共有することができる。「札幌」というキーワードで検索すると、まだモデルの数が少ないので自分の作品をアピールすることができるという。
 3)ボーナスパック
   コンポーネントが「Google SketchUp」の中にいくつか用意されているが、数は少ない。ボーナスパックをダウンロードすることで、飛躍的にコンポーネントが増える。
 4)レンダリング
   「Google SketchUp」は太陽光のみで表現されるため、よりリアルな表現にするには他のレンダリングソフトを使用して、レンダリングをする必要がある。(実践では「indigo」というソフトを使用して、レンダリングを披露。)
 5)「sketchyphysics」
   物理シミュレーションソフト。モデリングに重力を持たすことができる。(実際に阿部氏の作品を披露し、来場者を沸かせた。)
 阿部氏は最後に、ひとりでも多くの人にこの「Google SketchUp」の魅力を認知してもらいたい。一度「Google SketchUp」を経験したら、手放したくなくなるのではないかと話し、講演会を締めくくった。
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