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更新日:H20/03/31
2008.3.8(土) 「建築CGプレゼンテーションセミナー」開催レポート
3月8日(土)、北翔大学主催による「建築CGプレゼンテーションセミナー」が札幌市中央区の北翔大学北方圏学術情報センター「ポルト」にて開催された。現在建築の仕事に携わっている方々や、Illustrator, Photoshop, Google SketchUpに興味のある方を中心に、約100名の方々の参加があった。
ご挨拶 北翔大学 生涯学習システム学部芸術メディア学科 教授 小室晴陽 北翔大学は江別市にある、学生数約3,000人の大学で、様々な学科があります。建築デザインやCAD・CGを学ぶコースもあり、そうしたコースがある学科の教員がチームを組んで、本プログラム『文部科学省委託「社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業」』の「建築CAD/CGデザインプレゼンテーション&ビジネススキル総合セミナー」の実施計画を作成し、文部科学省からの委託授業としてセミナーを展開しています。本日の1日セミナーはその一環にあたります。プログラムはすでに昨年10月から実施しており、今日はその最終日にもあたります。次年度も実施することが決定しており、今年度できなかったGoogle SketchUpも入れて展開する予定です。また、本日アンケートでいただいたご要望を入れて平成20年度の社会人セミナーを展開していきたいと考えております。
1部 16:05〜17:15「Photoshop&Illustrator建築デザインへの活用術」 講師:アドビシステムズ(株)近藤祐爾様 (当初林岳里様の予定から、近藤祐爾様に変更)
第1部では、アドビシステム社のIllustrator、Photoshopの特徴とそれらの建築への活用法、また3次元のツールと組み合わせた活用法を中心に、具体例とともに講演いただいた。
■ Illustrator、Photoshopの特徴と違い ・ Illustrator:2次元の平面図、ラフスケッチ、パース絵などに使われる、ベクトルのグラフィックツール。ツールを用いて作成した様々な形を組み合わせてデザインをつくる。解像度に関係がない。 ・ Photoshop:パース絵、テクスチャのデータ作成、デジカメで撮った写真の加工などに使われる、ビットマップのデータ。拡大すると粗くなり、ドットになる。 ・ 両者はそれぞれ用途に応じて得意不得意がある。CADの図面を加工して着色するならIllustrator、写真をベースにしたものや3Dツールでレンダリングした絵を加工するにはPhotoshopが向いている。それぞれに特徴があるのを理解しておくとわかりやすい (写真) ■ Illustratorの機能について ・ 「ライブトレース」機能。ビットマップで作ったものをベクトルデータに変換する機能を持つ。変換するとモノクロのベクトルデータとなるので、あとはオブジェクトを選んで、形ごとに着彩すればよい。 ・ 「ライブカラー」機能。一つ一つのオブジェクトに着色すると手数がかかるが、「ライブカラー」を使うと、全体の色を一気に変えることが可能。使われている全色を自動的に把握できるので、ダイアログ上で複数の色の編集が簡単にできる。 ・ 今までは熟練した人でも手数がかかっていたこういった作業が、容易になってきた。機能の長所を生かして作業効率を上げるとよい。 (写真) ■ Photoshopの機能について Photoshopを使う場面:パース絵やデジカメで撮った素材を加工したり、3Dツールと連携してテクスチャの編集ツールとして使う。3つの例が示された。 ・ (内装の絵)3Dのツールから絵柄を取り出し、加工してパース絵を作る場合。3Dで書き出された絵がメリハリが少ない場合に、Photoshopでパーツ毎に加工をしてレイヤーパレットで作業を積み上げる。例えば窓の外の青い色を調整して、リアリティのあるものにしていく。 ・ (家の絵)もともとは、何も飾りのない、書き出された家の絵がある。その家に背景をつけ、壁の質感を調整し、植栽、車など後から絵柄どんどん追加し、重ねて組み合わせる。 ・ (建物の絵)背景を抜くということができる。建物だけを切り抜きたい時、「自動選択ツール」を使う。レイヤーのマスクを使って、背景の画像がなく透明な状態にし、その選択範囲に対して空の絵を持ってくるなど加工する。それがPhotoshopでする作業の基本にあたる。
■ 選択範囲を作ることは、Photoshop活用のポイント。そのためのツールを紹介。 ・ 後ろが黒い場合などは、「自動選択ツール」で一気に選択。 ・ 「クイック選択ツール」。絵柄から人だけ切り抜きたいが、背景に肌や髪の色が混じっていて、自動では切り抜けない状況の時に使う。選択したいところをブラシでなぞると、点線で自動的に選択してくれ、微調整もできる。 ・ 「境界線のオプション」で境界線を調整できる。境界線の調整とは、コントラストをくっきりさせたり、ぼかしてなじませたりすること。最終的な仕上がりに近くなる様に見ながら調整できる。 (写真)(写真) ■素材加工について。素材をきちんとした絵柄に仕立てていくということがPhotoshopの役割のひとつ。 ・ 「色調補正」で見えにくい絵を見える絵にすることができる。(暗くて何が写っているかわからない写真を例として使用。)レベル補正、トーンカーブ、色相の調整等により色をコントロールし、絵柄を見えるようにできる。CS3からはプリセットもあり、使用が簡単になった。単機能の「シャドウハイライト」も、写っているものをはっきりさせたい時には好適である。 ・ 「フィルタ」機能で建築写真らしい写真にする加工ができる。レンズによって引き起こされた結果を補正する「レンズ補正」が搭載されており、広角レンズで撮影されたような、写真の左右側の街路樹が斜めに倒れているものでも垂直に立てて、建築写真らしくすることができる。 (写真) ■ その他Photoshopの使用例「自動整列」「自動合成」 ・ (人々の集合写真で説明。)一人だけ右を向いていている写真と、一人だけ下を向いている写真を組み合わせて全員が前を向いている絵柄を作りたい場合。「自動整列」で、2枚の写真のブレがすばやく整列できて、絵を組み合わせることができる。「自動合成」は、いらないところを削る時に使える。自動的に合成してくれて、2枚の絵から1枚の絵を抽出できる。 ・ テクスチャ、背景を作る時に応用できる例として。連続した写真から景色のパノラマ写真を作るような場合、「自動整列」で重なり部分を調整して、大きな素材に加工できる。更に、「自動合成」で、色調補正され、なじんでつなぎ目がわからなくなり、パノラマを撮ったような写真になる。
■ パースペクティブを使った例 ・ 「トリミングツール」の「遠近法パースペクティブ」にチェックを入れると、斜めから撮った写真でも好きな形に切り抜くことができる。二次元の画像から三次元的に画像を抽出でき、正面から撮ったように加工できる。 ・ ビルの写真などから、窓枠等のイメージを出して素材として加工したい時。「DXFへ書き出し、3DSへ書き出し、AfterEffectsCS3順に書き出し」(上位版エクステンディットに搭載)で、画像から複数のいろいろな素材を一気に書き出すことが可能。 ・ 「3Dレイヤー」(3次元のモデリングデータをそのままPhotoshopのファイル上で扱うためのレイヤー)で、ビルの写真を立体的にできる。素材としてのモデリングデータを、手間をかけずにリアリスティックに加工できる。 ・ 「バニッシングポイント」で、選択ツール、スタンプツール、ブラシツールなどのPhotoshopのごく基本作業が、パースペクティブを使った加工ができる。 ・ 「バニッシングポイントフィルタ」には、建築のプレゼン用に様々なものを素材化ができる機能が用意されているので、加工の際に活用して、それぞれの長所を生かして作業するとよい。 (写真)(写真) 第2部 17:15〜18:05「3DデザインフリーソフトGoogle SketchUpの魅力」 講師:『Google SketchUpパーフェクト』 著者 阿部秀之氏
第2部では、Google社が無償で提供しているソフト、3Dモデリングが可能の「Google SketchUp」の魅力について、「Google SketchUpパーフェクト入門編」などの著者である阿部秀之氏に実践も交え解説していただいた。阿部氏は、20年弱、建築(設計)をしてきた。CAD等の3Dソフトに挑戦したこともあるが、「Google SketchUp」に出会い、その魅力にはまったと語る。 (写真) ■ Google SketchUpとは? ・Google社が無償で提供している3Dモデリングソフトである。他社のモデリングソフトとは違い、直感的な操作で比較的容易に扱える3Dソフトといえる。 ・対応OSはWindows、Macの両方で使用可能。(Macの場合、オペレーションの違いで戸惑うこともある。) ダウンロード場所:http://sketchup.google.com/intl/ja/download.html。保有のPCのシステムがGoogle社の示す要件を満たす必要がある。 特徴として、5つ提言した。 1)有料版(「Google SketchUp Pro」)との違いは、インポートとエクスポートの機能に差があること。また、LayOut機能や、Style Builder (Beta)、モデルの位置指定にも差が生じる。 2)モデルは、建築・土木等の四角いものを作成するのに向いている。曲面が多いモデルは好ましくない。 3)2次元の作図にはあまり適さない。 4)プレゼンモデル作成に向いている(スケッチ風の表現ができる)。 5)無料のレンダリングソフトを連携させながら使用することができる。 (写真)(写真) ■ なぜ、「Google SketchUp」は無料なのか 阿部氏の見解:「Google社としては、『Google Earth』との連携ソフトとして使用することをひとつの目的としているが、無料とすることで広い範囲のユーザーに使用してもらい、知名度を上げる効果があると考えているのではないか」 建築業界での「Google SketchUp」の知名度はまだ低いが、認知されるとユーザーが増えると予測される。 予測される理由として、4つ提言した。 1)ソフトが無料。 このことが最大のメリットであり、学校機関で使用するのが最適である。 2)インストールおよびアンインストールが簡単。 3)直感的なモデリングが簡単で楽しい。 レンダリングを考えながら行うCAD等の3Dソフトで挫折する人が多いが、「Google SketchUp」はモデリングから始めるソフトであるため、必要最低限の練習で成果が挙げられる。 4)拡張性がある。 「Google Earth」等の連携をスムーズに行うことができる。 この他にもさまざまな理由が探せばあるのではないかと述べる。
■ 実践を含めた解説 ここでは、代表的な6つの機能を紹介した。 1)基本的な操作 [プッシュ/プル]、[フォローミー]、クリック等の操作。 2)写真からのモデリング 撮影した建物の画像を元に[写真照合]ツールを使ってトレースをするようにモデリングが可能。[カメラ]機能で実際の目線から見るというシミュレーションができる。 3)スケッチ風に見せる モデリングしたものを、[スタイル]機能で、用途に合わせて鉛筆スケッチ風やホワイトボードに書いたような表現など、用意されているいくつかのスタイルに変更することができる。 4)断面平面 断面カットしながら、内装等を考えることができる。 5)影シミュレーション 無料版では影の詳細の設定はできないが、「Google Earth」と連携させると初回だけ、指定した場所に設定できる。 6)アニメーション [シーン]を使って、アニメーション設定ができる。 (写真)(写真) ■「Google SketchUp」の拡張性 1)「Google Earth」との連携 今話題の「Google Earth」を使い、位置情報を「Google SketchUp」に落とし込むことができる。また、自分自身が「Google SketchUp」上でモデリングしたものを「Google Earth」に反映することができる。 2)3Dギャラリー Webサイト上に自分の作成したモデルをアップロードすることができ、モデルを共有することができる。「札幌」というキーワードで検索すると、まだモデルの数が少ないので自分の作品をアピールすることができるという。 3)ボーナスパック コンポーネントが「Google SketchUp」の中にいくつか用意されているが、数は少ない。ボーナスパックをダウンロードすることで、飛躍的にコンポーネントが増える。 4)レンダリング 「Google SketchUp」は太陽光のみで表現されるため、よりリアルな表現にするには他のレンダリングソフトを使用して、レンダリングをする必要がある。(実践では「indigo」というソフトを使用して、レンダリングを披露。) 5)「sketchyphysics」 物理シミュレーションソフト。モデリングに重力を持たすことができる。(実際に阿部氏の作品を披露し、来場者を沸かせた。) 阿部氏は最後に、ひとりでも多くの人にこの「Google SketchUp」の魅力を認知してもらいたい。一度「Google SketchUp」を経験したら、手放したくなくなるのではないかと話し、講演会を締めくくった。 (写真)(写真)(写真) |
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